光金山・・・製錬域が2ヶ所?

大湧金山のあと、光金山へ ここは私とHさんが別々の場所で製錬域を見つけている。

まずは私が確認済みの下流側の製錬遺構を確認。ゆり分けに使った池の跡を確認したかったが、見つからず(家に帰って確認したら、池らしきものは最上段のテラスにあるようだった。勘違い~)

次は沢でもないのに異常に出水している場所。坑口なんじゃないか?と思っているのだが・・・

やはりそうだ!

坑口上部が崩落して、下部から出水、そこには簡易水道の取水に使われるようなホースもある。ここが坑口の一つで間違いないだろう。

更に上流部のHさんが見つけた製錬域。私も林道上から何度も見ているが「多少怪しいが、柴金掘った跡?」程度の認識の場所。ところが林道から現場に降りて見ると!

季節的に藪が薄くて見え易いとはいえ、こんな石垣まで隠されていたとは!

この3段?のテラス群にも水車用?の水路とゆり分け用の?池が確認できた。

光金山は昭和の中期までは稼業していたようなのだが、水洞や落部の金山跡にも同じような水路と池の組み合わせが存在していて、こういった遺構からある程度稼業年代の推定ができないものかなあ?と考えるのだが・・・

今のところ明治~昭和中期頃としか言えないかな?

大湧金山製錬域

さて、今期最後になるであろう現地調査。まずは大湧金山へ。

大蓑谷と六厩川との合流点付近に遺構があるようなのでその確認。多少笹藪を漕いだものの、あっさり発見。

焙焼炉か?と思って来たが、五右衛門風呂?

でもよくよく考えると、風呂にしては浅い気がする。鉄釜には違いないが・・・

気になっていた、鉱石運搬用ワイヤーの基点。

予想通りの位置にあっさり発見。

そこから対岸の尾根付近が大湧金山の採鉱域

あー、地面が見えている部分があるなあ・・・あの辺りか。

さて、一番気になっていた、CS立体図で見えていた謎の地形。凹の字に見えるのは?

あー、なるほど、土砂で周囲を盛り上げ、内側は石垣と鉄板で囲ってある。おそらく火薬庫じゃないかなあ?

さて、これで大湧金山の製錬施設があったであろう場所(CS立体図で見える限り)の調査終了~ あとは来春、山上の未調査の場所に行かれると良いのだが・・・

さて、午後は光金山へ~

『金山衆と中世の鉱山技術   甦る山の世界』

今年2月に亡くなられた萩原三雄氏の遺作

金山衆と中世の鉱山技術   甦る山の世界』(萩原三雄)

http://www.koshi-s.jp/shinkan/2210_1-shinkan.htm

目次


第1部 金銀山の研究史
1 鉱山史研究と考古学/2 甲斐・黒川金山の学際研究

第2部 鉱山技術の考古学
1 柴金/2 鉱山臼/3 小型鉱山臼をめぐる諸問題/4 絵巻にみる粉成技術/5 甲斐金山の鉱山技術/6 金工房跡と精錬技術

第3部 金銀山遺跡の諸相
1 東国の金山/2 越後黄金山/3 甲斐・湯之奥金山遺跡/4 丹波山金山(丹波山舟越金山)/5 佐渡金銀山遺跡/6 北海道・カニカン岳金山/7 金山遺跡における「場」と「景観」

第4部 戦国大名と金山
1 甲斐の金山と武田氏/2 甲州金成立期の一過程/3 勝沼氏館跡の金工房跡と碁石金/4 甲斐金山の中世と近世