Au・おぼえていますか

http://www.jswa.go.jp/mizusumashi/js-dayori/js19.htm
http://www.jswa.go.jp/mizusumashi/js-dayori/js-19.pdf

 もう、かれこれ20年近くも前の話になりますが、筆者が汚泥の資源化に取り組んでいた時のことです。焼却灰中に何か回収利用できるような有用物はないかと思い、全国あちこちの下水処理場の焼却灰を取り寄せて、焼却灰中のレアメタルを分析したことがあります。すると、全く予想していなかったことですが、金の含有量が相当高い試料がいくつか見つかりました。中でも、ある焼却灰はトン当たりに換算すると20g以上の金を含んでおり、これは高品位で世界的に有名な鹿児島県菱刈鉱山の金鉱石にも匹敵する含有量でした。「こんなことがあるはずは無い。多分、分析の間違いだろう」と再測定しましたが、やはり測定値は同じでした。ここで、当然ながら、なぜ焼却灰の中に結構な量の金が含まれているのかという疑問が湧きます。何らかの理由で流入下水中に含有されている極めて微量な金が、活性汚泥に捕捉され、濃縮−脱水−焼却工程を経て濃縮されたものと思われますが、その金はどこから来るのでしょうか?「排水区域の住民が、毎日、金箔入りの日本酒を愛飲しているからだろう」という珍説まで出ましたが、本当のところは良くわかりませんでした。

 ところが最近になって、当時と状況が大きく変わって来ました。昨年から貴金属・レアメタル価格が高騰しており、金価格も当時の採算ラインだった2000円/gをとうに超え、2008年1月末現在で3000円/g以上と、回収しても十分に採算が取れると思われる価格レベルに到達しています。さて、このような金価格の高騰を受け、伝説の「汚泥埋蔵金」が現実となって、汚泥から回収した金塊を私達が目にする日は来るのでしょうか?

昨年話題になった下水道金 http://d.hatena.ne.jp/garimpo/searchdiary?word=%b2%bc%bf%e5 実は、知っている人は知っていた?*1という話。 もっとも昨年の話は上記の100-1000倍も金濃度が高かったわけですが。
ちなみに今日は田中貴金属の仕事始め。金価格は¥3531と昨年の金価格から約+¥1000 汚泥の価値も3割増しかな?

ネタ提供H山さん

*1:記事自体は2008年のものと思われる