酸化鉛の蒸発量は?

http://www.geocities.jp/e_kamasai/byroad/page18.html

「石吹法」に関連して 2017/2/22
 もうずいぶん前になるが、鉱業史研究会での雑談で、飛鳥池工房遺跡で見つかった凝灰岩製のルツボは灰吹きに使われたとする説について、「あれは凝灰岩の酸化鉛吸収容量は大きくないことから灰吹したものでなく、単に灰吹銀を熔解したものに過ぎない。鉛の検出は灰吹銀に残っていた鉛によるもの」と自説を述べたところ、「古代ギリシアで行われたような灰吹法であろう」という反論をいただいた。
 古代ギリシアで行われた方法とは、下の2016/10/22のエントリで取り上げた概念図のようなものであろう。飛鳥の場合、坩堝に溜まった酸化鉛はルツボを傾けて除いたということになろうか。

そういえば、一般的に、灰吹きで生じる酸化鉛は灰床に吸収されるという説明がされているけど、蒸発量(率)はどのくらいなのだろう?
灰吹法の実験は何度も見ているけど坩堝・灰床の種類を変えて酸化鉛の吸収率を比較したことはなかった・・・というか、灰床を変えても灰吹き自体に影響は出なかった・・・かな? 磁性坩堝あたりを使えば吸収されない酸化鉛が残ったりするだろうか? それとも蒸発してしまうだろうか?