やはり農閑期に?

何度か書いている、北朝鮮の砂金掘りの話。

dailynk.jp

 

平原にほど近い檜倉(フェチャン)、雲谷(ウンゴク)、平壌郊外の順安(スナン)区域などは、昔から砂金が採れることで知られている。

当局から禁止されることもなく、シャベルとふるいなど簡単な道具さえあれば誰にでもできる。一方、他の商売をするには元手が必要で、生き馬の目を抜くような状況でサバイバルしてきた商人たちとの競争も強いられる。作物を育てることしか知らない北朝鮮の農民には、とてもできることではない。

そして、農場の仕事をほったらかして砂金採りに行った人の収入が、農場に残って畑仕事をしていた人よりも良いことが知れ渡った。ただでさえ借金でクビが回らなくなっている農民にとって、もはや行かない手はないだろう。


かくして、農場からは多くの人が去ってしまった。

情報筋が話を聞いた平原郡の農場関係者によると、秋の収穫と脱穀を行う時期には少しでも穀物を家に持ち帰ろうと出勤率が8割に達するが、収穫が終わった今では出勤率は3割にも満たない有様だという。

こうした無断欠勤は、北朝鮮では違法行為に当たる。一部では、都会に働きに出た農民を強制的に連れ戻す農場もあるようだが、この平原の農場は農民を諌めることすらできない。

 興味深い点が2つ。 一つは砂金の採取が禁止されていないこと。 もう一つは、北朝鮮の砂金の話を書く時いつも思っていたのが「なんでこの寒い時期に?(昨冬もドライスーツを着て砂金掘りする北朝鮮のニュースがあったと思う)」という疑問があったが、やはり農閑期に掘っている可能性が高いことだ。

日本の砂金掘りの話でも農閑期に副業的に掘る話は何度か読んだことがあるし、不漁時に漁を放り出して砂金掘りに向かった話がオホーツク海沿岸でもあった。こういった話は世界中で共通する話なんだな。