草の根の砂金

砂金掘り初心者や初めて砂金掘りをする川で草(木)の根っこを洗ってパンニングしてみる草根引きは有効な手法である。

で、なんで草の根に砂金があるのか、という話はほとんど読んだことがない。「草の根が砂金を抱え込んでいるから」というのは岩盤の割れ目に生えている草ならそうだろうと思う。道具を使っても取り出せないような細く深い割れ目に伸びた草の根が砂金を掴み出してくれることは確かにあるのだ。

では岩盤でない川原に生えている、例えばススキ野原の根っこはどうか?これも砂金を抱え込んでくれてはいるが、別に砂金がその川原にあるのなら草がなくてもそこを掘れば良いだけの話なのだ、むしろその方が楽だし(草の根は洗うのが面倒である)。

思うに草(原)の根が重要なのはそれ以外にあって、一つは増水時に茎や葉の抵抗で水流が緩くなり砂金が沈殿し易くなること(もっとも砂金が流れてくるような水流では葉も茎も押し倒されてあまり抵抗にならない可能性はある)。もう一つは川原の表土を洗い流させない効果があることだろう。安定した岩盤があるのと同じことになるのだ。

実はこちらが重要で、一度草の根元に沈殿した砂金はその後の増水で流れることなくその場にとどまる。スルースボックス同じで一時的にリッフルで捕獲された砂金も水流の変化で下流側に移動することがある。この時に敷いてあるマットの目の中まで砂金が落ちていればそれ以上砂金が動くことはまずない。マットが無ければ・・・そのうち砂金も流れていってしまうかも?まあ、スルースボックスには複数のリッフルもあるので簡単にスルースボックス外まで流れてしまうことはないが。