『寺社勢力の中世―無縁・有縁・移民』

中世の寺院による金山(鉱山)開発の事例でも書かれていないものかと『寺社勢力の中世―無縁・有縁・移民』(伊藤正敏)を買ってみた。

金山開発事例は書かれていないものの

 中世寺院は学問や技術に優れた僧侶を多く輩出した。鎌倉時代、漢字を書ける武士は少ない。武士の文書は多く平仮名で書かれている。対して、学侶で漢字を書けないものなど一人もいない。文化度は段違いである。
寺院では高度な手工業技術が研究され、実際に製品の大量生産がおこなわれた。寺院は先進文明・先進文化を生産しつづける場であった。最高の先生が集まっている教育の場であり、多数の人材を輩出した。中世テクノポリスがここにあった。ルイス・フロイスは、叡山を「日本の最高の大学」とみた。

 こういった場であれば、当然鉱山技術に関しても研究・教育が行われたであろうなあ・・・とは想像できる。もう少しこういった本を探してみるかね?