ふなはしと云ふ川のながれ~

さて、

garimpo.hatenablog.com

荘川村史 下巻』に収録の「白川奇談」ではどう記述されていたのか・・・

牛丸と岩瀬村の間六七丁ふなはしと云ふ川のながれの坂あり。此所にて鶏のなく声をきけば果報が満るといへども、鳥の声もろくにきく事なし。

 あら、『荘川村の民話 伝説・世間話編』とほぼ同じか。もっと産金にまつわる話が前後にあるのかと思ったのだが。 まあ、鶏や鶏が鳴く表現は埋蔵金伝説でよく使われるフレーズなので産金活動はあったものの当時は既に採掘済み・・・といったところだろうか?

続く文章には

岩瀬村にけいせい谷といふ山あり、むかしはけいせいのたぐひもありけるにや。

とあり、遊女の集まる地域があったのだろう。こちらも産金が盛んであったことを窺わせる記述ではあるが、これも過去の表現だなあ。

上滝金山は大根の根から

荘川村史 下巻』に収録の「白川奇談」によると・・・

牛丸の下に往古の金山の跡上滝洞と云山有、むかし所の民大根を引けるに、尾髭の間に金屑がはさまりて有けるを見つけて、夫よりほり初けると也。

 大根はそのままダイコンのことだとして・・・佐渡・西三川だとニラの根に付いた砂金、秋田の白根金山だと長芋に付いた砂金が後の金山開発の端緒になったという話が伝わっているが、飛騨でも同じような話があるんだなあ。

「白川奇談」は1850年頃(嘉永3)に写されたものらしく、元の話がいつ頃の事なのか、真実なのかもよくわからない話ではあるけど・・・

便利地図アプリ

北海道の国有林の入林届けについて調べていたら・・・

www.rinya.maff.go.jp

Explorer for ArcGISをインストールして、さらに北海道森林管理局 林班・小班図をダウンロード。 ・・・お~便利便利。

河川名も比較的詳しく入っているかな? ・・・さすがにアプリから入林申請まではできないが・・・

雪なし荘川

荘川~ 平地はもう雪もなく・・・

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あの山頂から少し下ったところが金山の露天掘り群・・・のはず。

 

石臼撮影したりドローン撮影したり・・・

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柴金遺構探索には樹木の葉も落ちていて最適な時期だな。見てこなかったけど。

『荘川村の民話 伝説・世間話編』

荘川村の民話 伝説・世間話編』(荘川口承文芸学術調査団)を改めて読んでみると単に古い話を聞き書きで収録しただけではなく全体に関して解説が付いていることに気付いた。

これによると荘川村史 下巻資料編に『白川奇談』(三島正英)が収録されていてその中に

〇 牛丸、岩瀬間、ふなはしという川のながれの坂、此所で鳴鶏を聞くと果報が満る 

 これらはまさに柴金採集地の名前であって、

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産金にまつわる伝説もしくはそれが転じた伝説が書かれているのではないかなあ?荘川村史借りてこないとなあ。

本書には六厩岡田家の埋蔵金発掘伝承「南部庄兵衛と金の壷」も収録されている。1850年前後の話なのかな?これは。

「一五〇四年(永正元)ころの中野照蓮寺と山科本願寺」

借りてきた『飛騨の中世』第11号 に「一五〇四年(永正元)ころの中野照蓮寺と山科本願寺」(二反田 實)

1485年頃からの西飛騨の寺院(道場)への方便法身尊形の下付する意図(の一つ)は金山師を兼業していた坊主達を掌握し、金づるを確保するためだったのだ~

・・・まあ、地域性を見てみるとそういう一面があったのだろうなあ、とは思うのだが岡田家の伝承(論文中に岡田家の伝承が出てくるわけではない)以外にもそれを裏付けるはなしが出てきて欲しいところだ。