A野さんの甲州金

garimpo2004-10-18

今日新聞発表があったようですね。
山梨日日新聞
http://www.sannichi.co.jp/DAILY/news.php?y=2004&m=10&d=18&s=1

富士川下流で「甲州金」を発見
舟運船が難破? 洪水で旧家から流された?

 静岡県内の富士川で、水中の岩盤の割れ目に刺さっていた「甲州金」が見つかった。江戸時代初期の甲斐国で作られた壱分(いちぶ)判とみられ、関係者の間で「富士川舟運の難破船から落ちたのではないか」「洪水で旧家が流された際のものでは」と話題になっている。

 甲州金を見つけたのは、南巨摩郡身延町の湯之奥金山博物館「友の会」のメンバーで、静岡県富士宮市の会社員、天野直人さん(44)。静岡県内の富士川流域で今春、自然金(砂金)を探していて発見した。

 甲州金は、戦国時代から江戸時代まで甲斐国で使われた独特の地方通貨。四進法の日本で初めて制度化された貨幣であり、江戸幕府の貨幣制度の基礎にもなっている。

 見つけたものは、直径一五ミリ、厚さ一・四ミリ、重さ三・六五グラム。表面には、桐の紋様と「壱」「分」「松木」の印が押されていて、縁が点で囲まれている。裏面には、ウリ形の跡がある。

 甲州金研究の第一人者、西脇康さん(早稲田大エクステンションセンター講師)の鑑定によると、裏面のウリ形の跡は甲州金の中でも古い時代のものの特徴で、慶長年間(一五九六−一六一五年)に作られた「古甲州金」の壱分判とみられる。壱分は現在の貨幣価値に換算すると、五万円相当。資料的には全国でも数十点しか公開されていない貴重なものだという。西脇さんは「遺跡から出土することはあるが、川で拾われたのは例がない」と驚いている。天野さんは見つけた後、静岡県警富士署へ「遺失物」として届け出たが、所有者は現れず、手元へ戻ってきた。

 発見された甲州金は二十一日から、湯之奥金山博物館で開催される特別展「魅惑の富士川流域・自然遺産」で公開される。