海のない多胡浦

西暦750年の多胡浦(現 静岡市清水区蒲原小金)の産金 以前に文献で調べたら現地は海からも川からも離れた場所。隆起で海から離れてしまったか、古代のはなしなので伝わっている場所が多少誤っているのだろうと思ってきたが・・・

http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/bosai/162575.html

蒲原は広範囲で隆起? 安政東海地震の再評価発表へ
(2015/10/19 08:13)
 約160年前の安政東海地震で、旧蒲原町(現静岡市清水区蒲原)は通説より広範囲で隆起したのでは−。産業技術総合研究所産総研)を中心とした研究グループが18日までに、富士川の流路変遷の調査から安政東海地震を再評価し、南海トラフ巨大地震のシミュレーションにもつながり得る推定結果をまとめた。神戸市で開かれる日本地震学会秋季大会で27日に発表する。
 これまでの研究で、駿河湾西岸から遠州灘海岸東部にかけての隆起は確認されていた。一方、富士川河口付近の隆起量は不明確で、明治時代発行の地形図に「蒲原地震山」の地名があることを根拠に東西50メートル、南北660メートル程度の範囲で1〜3メートル隆起したというのが通説になっている。産総研の行谷佑一主任研究員(37)は「同地震では富士川河口断層が動いたとの見方があり、通説の隆起面積では狭すぎる」と考え、歴史資料と国土地理院基盤地図情報を重ね、隆起区域を整理し直した。
 新たに推定した隆起区域は、河口から約5キロにある県道396号富士川下流の西岸全域。安政東海地震の5年前に書かれた「海面浅深取調絵図」(木屋江戸資料館所蔵)を見ると、富士川は現在より1〜2キロほど西側の蒲原中付近を流れていた。さらに歴史資料を検討すると、当時の蒲原では洪水が頻発していたが、安政東海地震を境に水害の記録は途絶える。行谷主任研究員は「状況証拠だが、蒲原全体が隆起し、富士川の流路が東にずれたと考えるのが自然」と分析する。

文中の蒲原中と小金地区の距離は3km弱。 隆起域に入っているかはともかく至近ではある。
こういった隆起によって多胡浦の産金地とされる地点は駿河湾から離れ内陸になってしまったんだろうな。 当時は富士川から流れてきた浜砂金が採れたのだろう。