「朝鮮國永興産金地の概况」(西和田 久學)

CiNiiで“土金”の全文検索をかけると唯一産金と関連しそうなのが、
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003014805 「朝鮮國永興産金地の概况」(西和田 久學) 地質學雜誌,1896-03-15

土金以外にも幾つか興味のある事が読み取れるので以下に引用。(1896年発行の雑誌という事に注意)
先ずは土金に関して・・・

松洞を除くの外は皆砂金及土金を開採せるものにして之等の遊離せる金の源は(以下略)

砂金と土金は「鉱脈又は鉱石から遊離した金」と解釈してよいだろう。

砂金若しくは土金を採集するには某所を卜とし一間乃至三間四方の竪穴を穿つを常とす、穴の深さは含金層に達するまで掘ると雖も(以下略)

ここでは旧河床・河岸段丘中に存在する金を“柴(芝)金”とは称さず、砂金とは区別して呼ばないようだ。
また、所謂山金を“石金”と表記している(?)・・・って、また用語が増えるのかい?

道具に関して・・・

穴を堀鑿するには頗る異形の韓鋤を用い(以下略)

形は分からないがカッチャみたいなものなのか?穴掘りの道具だから全く異なった形状のものなのか???

含金土砂を淘汰するには巾一尺五六寸長さ二尺四五寸の方形にして深さ三寸許の木製淘汰盤と徑一尺内外深さ三寸余の圓形淘汰盤を用ゆ(以下略)

揺り板(?)と揺り盆(?)の説明。方形の道具は深さが三寸ということは日本の揺り板というよりは、大陸型*1の揺り板形状だろう。


あとは、「中国*2の金は大きくて、南から北に向かって粒が大きくなる」ともある。砂金掘りに行くならやっぱり北部・・・北朝鮮かねえ?

*1:ここでは朝鮮半島中国東北部で使用されていた形状の揺り板とする

*2:朝鮮人自ら中國ト稱す」とあるのが時代を感じさせるなあ・・・