中日新聞掲載記事

http://d.hatena.ne.jp/garimpo/20150910 の記事、WEB版

“山吹色”に胸躍らせて 北海道浜頓別町 砂金掘り http://tabi.chunichi.co.jp/local/150911tabi.html

 自分との闘いが始まる。中腰姿勢で、約5キロの砂利を載せたゆり板を水面近くで揺すり続けなければならない。重い砂金を沈ませるためだ。体がすぐに悲鳴を上げる。やがて砂金がキラリと姿を現す。
 砂金掘りは思ったよりも地味で過酷だ。でも手だけは止まらない。砂金掘りの3代目となる半沢幸夫さん(70)がその理由を教えてくれた。「山吹色の輝きに血が騒ぐからね」
 夕方、手からゆり板が落ちた。体力と集中力が切れた。何粒かあったはず−。だが残ったのは小さな1粒だけ。「うそ…足んない…」。過去に何人がこの川で砂金を逃し、ぼやいただろう。「きっとサケのように大きくなって戻ってくるよ」。隣で清野さんが目を細めた。
 この日の成果は合計約20粒で、初心者にしては上出来だった。大きいのは長さ4ミリほど。砂金は採った分だけ持ち帰れる。

 翌日、町最大の砂金イベント「ウソタン砂金フェスティバル」を見学するために再び公園へ向かった。全国から集まった約50人がバケツの土から砂金を探し、速さと正確さを競った。砂金の選別にはゆり板のほか、現在主流のパンと呼ばれる皿を使う。常連の手にかかると20キロの土がわずか数分で消え、砂金だけが残る。その手際の良さに目を奪われた。

 欧米では砂金掘り競技はスポーツに近く、趣味として人気が高いという。世界大会も毎年開かれている。世界を渡り歩く砂金掘り師の広瀬義朗さん(43)=神奈川県二宮町=に競技の魅力を尋ねると、「いかに川掘りで砂金を採りこぼしていたか分かるんです」と返された。納得。たくさん採るには流さなければいい。でもきっとそれが1番難しい。

これだと少し言葉足らずだけど、ま、いーか。