北海道で集めてきた市町村史などをスキャン中〜
「砂金掘り物語」や枝幸町史からの引用で済ませている市町村も多いけど、初めて読む記述も多いわけで・・・
栗山町史 p.1043(元々の文書は南富良野村史に書かれたものと思われる。しかし、栗山町史の方が引用し易い形に纏まっていたので、今回はこちらを引用)
砂金掘り
砂金を採取するには,先ず砂金のあるところを見つけなくてはならない。死石のところにはなく,生石の地帯で赤い粘土のついたところに多い。水の流れのあることが条件である。水のないところでは採取出来ないからである。砂金は荒川であると川の中心にあるが,流れの強い方より弱い方にあり,白金の方が普通の砂金より流れの強い方に寄るとか,クローム鉱の川砂利のようになって流出している時は,その下5寸くらいのところに砂金がある。砂金は重いものであるが,水に流れるもので深味のところでも水勢の強い所には集まらず,そのふちの水勢の弱まるところに寄せ場が出来る。ここと思う沢を見究め,まずその水源から本流への長さの見当をつけて,その中位のところを「カッチャ」で採取し,「よりいた」で試験する。この「よりいた」に1粒かかれば坪当り1匁あるとしたものである。こうしてしらべて,なければ次ぎの沢の探検に移る。この探検が上手でなければ砂金掘りはもうからない。
赤粘土のトロトロが1寸くらいある銑鉄の厚いところをみつけたら,砂金の先走りと思ってよい。砂鉄がなくなったら砂金もない。砂金が一番重く,砂鉄がこれについで重いからである。しかし砂鉄はあっても,赤い粘土がない場合は砂金は遠い。
そのまま読んでも面白いのだけど、分からない部分もいくつか・・・
- 死石のところにはなく,生石の地帯
うーん、死石(しにいし)・生石(いきいし)って、たぶん転石を表しているんだろうけど、どんな状態なんだろう???
- クローム鉱の川砂利のようになって流出している時
こんな表現になるのは南部カムイコタン帯で掘っていた人だからだろうか?
- 水源から本流への長さの見当をつけて,その中位のところ
これって、谷から平野部分に出る辺りなんだろうか?河川の勾配?それとも浸食具合が関係したりするんだろうか?はたまた、ある程度の距離金が流されないと寄せ場が形成されないということなのかなあ???
地形図を見て、砂金を採った場所と沢の流程の中間あたりのずれを比較してみると面白いかも?
- 赤粘土のトロトロが1寸くらいある銑鉄の厚いところ*1
うーん、どんなところだ?盤上に赤粘土、その上に砂鉄層か?それとも赤粘土混じりの砂鉄層?? 褐鉄鉱などで赤く焼けた砂利層とか掘ったことがあるけど、そういう場所はハズレたことしかないな〜 北海道で深い盤まで掘らないと理解できないだろうか?
*1:銑鉄は砂鉄の誤記?