ライン川の砂金

ライン川の砂金は以前にミネラルショーで見たことがありましたが http://d.hatena.ne.jp/garimpo/20061216#p1 、実はいろいろと蘊蓄があるようで・・・
http://homepage3.nifty.com/scandium/

ラインの黄金と(Das Rheingold)は、ワーグナーのオペラ「ニーベルングの指輪」四部作の最初の物語の名前です。ニーベルンゲンの指輪全体がライン河のそこに沈む黄金から作られた指輪をめぐる話で す。 あらすじはめんどいので省略しますが、ラインの黄金でできた指輪は世界を支配する力を得られる一方で、とてもとても呪われています。そのいい方だけが見えてしまうため、指輪の奪い合いなるのですが、指輪をゲットした登場人物は例外なく非業の死を遂げてしまいます(一方で、指輪をゲットして幸せになる人は一人も出てきません。)。最期に、指輪がライン河に戻って無事おしまいなのですが、話がどろどろしているのと、全部で16時間もあるのと、作曲者がかなりヤバイ人だったので、コアなファンは熱烈に好きなのですが、良識ある大多数の方々には作曲者も含めキワモノ扱いされています。
このラインの黄金ですが、あくまでもお話と思いきや、なんと、ライン河で砂金が採れるのです。このようにネタになる標本というのは、ぜひ欲しかったので、デンバーで手に入れた時は、一瞬呪われるかもしれないと思いましたが、感動しました。しかし、この片栗粉のような粉末状の砂金は、ネタ的にはおもしろいものの、鉱物標本としての面白さはなく、ワグナーにもニーベルンゲンの指輪にも興味のない人にとっては、みみっちー金の粉でしかありませんが。

この写真はライン河中流域のバーデン・ヴュルテンベルク州のものです。相当遠くまで流れているような雰囲気の粉です。こんな砂金であれば、日本でも十分採取できる大きさかと思いきや、逆にここまで金を細かくするだけの長さの川が日本にはないのではないかと思われます。この産地、昔から付近の人々の副業で採掘されてきました。戦争中に、その名も”ラインの黄金”と名づけられた砂金回収機構付き浚渫船で金の採掘がされました。しかし、資源が渇望していた戦争中ですら、効率の悪さにやってられなくなり、敗戦よりずっと前にやめてしまいました。

このラインの黄金ですが、どっから流れてきたものでしょうか?実は、後にもっと大粒のラインの黄金をゲットしました。ドイツとスイスの国境にあるボーデン湖よりもさらに上流にあり、イタリアと接しているスイス、グラウビュンデン州のルクマニーア渓谷の金です。ラインの黄金の供給源の一つはこの近くの石英脈だそうです。

やはりアルプス山脈周辺が砂金産地なのだな〜 今年の砂金採り世界大会もそんな場所の一つ(イタリア Biella)。
おや?もう大会プログラムが発表されてますね。 http://www.elvo2013.it/programma-eng.php