「中近世移行期における鉱山開発と地域社会の変容に関する研究」

「中近世移行期における鉱山開発と地域社会の変容に関する研究」
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文部科学省科学研究費補助事業による「中近世移行期における鉱山開発と地域社会の変容に関する研究」の報告書が、池享(いけ・すすむ)一橋大学大学院教授らによって発刊された。


今回の調査では、東磐井や気仙地方を中心とする金山をフィールドに設定し、鉱山開発が地域社会にどのような影響を及ぼし、歴史的展開を作り出したかを解明。気仙に残る古文書や一関市東山町の鈴木家文書、同市室根町の畠山文書などを繙いた。
 このうち、御本判(仙台藩が金掘り従事者に発行した許可証)大肝入を務めた鈴木家と、村肝入を務めた畠山家の両家文書の目録作成と史料翻刻を行い、御本判制度の解明に迫った。
 また、これまであまり注目されてこなかった「土金」に関して、気仙地方などで情報収集した成果をまとめた。
 土金とは、地層の土砂中に混じっている金粒で、露天掘りや土坑堀りで採取する。報告書には「その作業には、大量の土掘り・運搬や水路・選鉱場造成のために、通常の砂金取りよりも大規模な労働力編成が必要であり、これと名子などの従属労働力の編成とは密接にかかわっていたと思われる」と指摘。
 報告書の中で、池教授は「御本判制度とその運用については未解明な点が多く存在する。農業と一体となった小規模経営、労働編成についても『土金』採取も視野に入れた検討が必要。さらに採金から製鉄、林業、炭焼きなどへの生業の転換問題、そこで重要性を増したと思われる山利用をめぐる問題、人の移動などの問題解明に向けた展望が開けた」と述べている。


 報告書は、A4判の大きさで全559ページ。

これが先日carankeさんが話していたやつだな・・・

記事では“地層の土砂中に混じっている金粒”を“土金”としているけど、芝金(柴金?)と区別しているのかは興味があるところ。もしかしたら風化残留鉱床と河岸段丘に残された沖積鉱床を総称して土金としているのかもしれない。しかし風化残留鉱床って割と規模が小さい気がするんだよな〜見たこと無いけど。一度みちのくの土金採取跡でパンニングしてみたいな。風化残留鉱床なら石喰いの多い砂金が多く出てくるだろうし、沖積鉱床なら丸い河原石が出てきて概ね判断が付くんじゃないかな?

で、 http://kakurezato.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-283d.html
報告書に「岩手県気仙地方産金遺跡要説−総論−」が収録されているわけだ。