技術の違いか?それとも?

CS立体図で六厩の柴金遺構を見ていると違和感を感じる場所が何ヶ所かあって・・・

f:id:garimpo:20200529200809j:plain

例えばこの赤と青で囲った遺構は様相が異なる。赤で囲った遺構は柴金遺構に普通に見られるタイプで水路状の溝が多く見られる。一方で青で囲った遺構は水路状の溝も認められるが、それ以上に単に窪んだ穴が多く見られる、河岸段丘タイプの柴金遺構としては一風変わったタイプに見える(風化残留タイプの柴金遺構なら普通ではあるが)。

なぜ川を挟んで隣り合う2つの遺構でこのような地形の差があるのか? 考えられるのは採掘者の技術・流派的な違いが一つ。もうひとつ考えられるのは水利の良し悪しの差が採掘法に現れている可能性。

通常の柴金採掘では上流域または後背地から水を引いてきて含金堆積層を洗い流す、だから水路状の溝が残される。だが、水利の悪い採掘域だった場合は、掘り上げた含金土砂を川まで運んで金をゆり出す必要があっただろう。なので含金堆積層のあった場所に水路状の溝が残らず、単に土砂を掘り上げた窪みが多数残されることになったのではないだろうか? 再度CS立体図を確認すると、赤で囲まれた領域は上流・後背地から水が得られそうな地形であるのに対して、青で囲まれた領域は川に半島状に突き出した地形の上に根元の部分が尾根になり、どこからも水を引き難い地形になっているように見える。

技術的には単に掘り出した含金土を川に運んで金をゆり出すよりも、水路で水を引いてきて含金堆積層を洗い流す方が難易度は高いが金の回収率も高いように思われる。

さて、本当のところはどうなんだろう?他にも答えがあるのかも?